ガースー日記

笑ってはいけないネタに惹かれて、昔は黒光り日記、というブログ名でやってました。(大学生のノリでした..)

チーム運営が機能不全に陥ったので、「あなたのチームは、機能してますか?」という本を読んでみた

目次

実際に読んだ本

2003年に発売されたので少々古い本ではあるものの、人が仕事をしていく上でチームの在り方に大きな変化はあまりないのでは?と感じていました。

チームビルディングの本は読んだことが無かったので、ストーリー形式だったのは良かったなと思っています。

 

 

なぜ、この本を読もうと思ったのか?

Twitterでこの投稿を見つけて、お気に入りにしておいたのがきっかけです。

自分のキャリアとして、PMも選択肢の1つになるなあと感じていたからですね。

2021年後半、自分のチームが機能不全に陥っていて、単純にタイトル自体が刺さった、というのも大きかったです。

note.com

5つの機能不全

この本の中では、チームが機能不全に陥っていく過程で、5つの落とし穴があると述べられています。それが以下の5つです。

下に記載された機能が前提、という意味ではマズロー欲求段階説とかに近いですね。

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5つの機能不全
  • 信頼の欠如

チーム内で弱みを見せようとしないこと。
メンバーが弱みを見せて、そうした弱みが利用されることが無い、と信じる必要がある。

 

信頼の欠如したチームは、チーム会議を嫌がったり、他人に助けを求めたり、支援を申し出るリスクを嫌がる、という記載がされていました。

後述しますが、助けを求めるのを嫌がる、というのは個人的に起きてしまった状況に近いです。

 

またこういった状況を防ぐためにリーダーに求められる役割として、率先して弱みを見せる、という記述もありました。

チームが機能していた頃に一緒に働いていたマネージャーは、自分のことはピエロで良いと言っており、積極的に弱みを見せてくれる人でした。

  • 衝突の回避

信頼を築けないことで何が問題になるのか?

それは腹を割って激しく議論をぶつけることができず、表面的な合意に留まっている点だと指摘されています。

また効率のために衝突を避ける人も多いが、健全な衝突は時間の節約になるとも指摘されていました。

 

実際にチームが崩壊したときの自分を振り返って、頷きが多かった部分です。

業務が俗人化してしまい、システム設計において細かい議論をしなくなってしまいました。

コードレビューはしていましたが、設計がそもそもこれで良いんだっけ?みたいな議論ですね。。

これはホウレンソウの問題も絡みますが、そういった相談をすぐにする、という発想が出ない状況だったことが、信頼性の欠如に起因すると感じています。

 

そのタスクを他の方に引継ぎを行ったりしたのですが、欠陥が非常に多く、結局再設計してもらうことになりました。

2021年の中で一番悔しくて、不甲斐ないなあと感じた一件でした。

 

では第2の機能不全を克服するにはどうしたらいいのか?

衝突が生産的であることを認めることが必要です。

衝突を避ける傾向にあるチームでは、あえて「衝突を掘り起こす」ことが必要だと指摘されています。

 

またリーダーの役割としては、そういった衝突が起きた際は自制して、自然な解決を任せることが重要と記載されています。

その理由としては、議論を早い段階で中断してしまうとメンバー自身での衝突への対応能力を育てることができないため、ということで、チームの自立が狙いに含まれているなと感じました。

 

チームが機能してなかったな頃のエピソードを1つ紹介したいと思います。

3人のチームで業務をしていた際に、2人の意見と合わずに自分が意見を押し殺してしまった、ということがありました。

理由としては、2人の意見に反論するだけの考えを言語化できておらず、民主主義だから良いか、として流してしまったことですね。

自分の中のもやもやを言語化するのに付き合ってもらえば良かったな、と反省しかないです。

 

  • 責任感の不足

チームにおける責任感には、「明確さ」と「支持」の2つの側面があり、責任感の不足の大きな原因は全員一致と確実性を求めること、という記載がされています。

 

全員一致は、個人的にもチーム的にもそこまで重要視したことはないです。

人数が多くなればなるほど時間が掛かりますし、当たり障りのない意見でないと通らないという問題が発生し得ると思ってます。

これは確実性を大切にすると起こりえる、という点とも近いですね。

 

そもそも論ここで大切なのは、なぜ確実性が不要なのか?という背景にあります。

健全な衝突が起きることで、知恵を振り絞った意見が生まれるという前提が、不確実性のある意思決定を可能にする、という考え方が記載されていました。

 

  • 説明責任の回避

これまでの機能が、説明責任の回避とどのように関連するのでしょうか?

ここは本文の文章をそのまま引用しようと思います。

この機能不全の本質は、仲間の態度をとがめることによって対人関係が気詰まりになることに耐えようとしないことと、難しい会話は避けようとする人間の一般的な性質である。優れたチームは、このような本来の性質を克服し、他人との「危険領域に踏み込む」ことを選択する。

パトリック・レンシオーニ.あなたのチームは、機能してますか?(Kindleの位置No.2140-2142).株式会社翔泳社.Kindle版. 

本当に、言うは易く行うは難しだなと感じました。

優れたチームのメンバーは、互いの責任を追求することによって、相手を尊敬していること、相手の仕事ぶりに高い期待を寄せていることを示し、それによって人間関係を向上させる。

パトリック・レンシオーニ.あなたのチームは、機能してますか?(Kindleの位置No.2146-2148).株式会社翔泳社.Kindle版.

ここまで行くと、コーチングの一種に近しいかもしれないですね。。

 

また、強力なリーダーは規律を引き受ける役割を一手に担って、チーム内に説明責任の空白を作りがち、ということも言及されていました。

要はリーダーが責任を追及してくれることを期待して、メンバー同士での責任追及が生まれない、という状況ですね。

 

これはチームとしてお互いが行っていること、期待されていることをしっかりと理解しないと、そもそも言及すらできないなと思いました。

この本を読んだ段階でのチームの状況は、まだその状況に近しいなと感じています。

  • 結果への無関心

説明責任の回避すら達成できてないので、こちらも達成するにはまだまだ遠いです。

そのため、ここも引用を多めに使っていきたいと思います。

優れた組織は、必ず一定期間に達成すべき成果を計画している。これらの目標は、財務指標だけでなく、管理可能な短期的な指標のほとんどが含まれている。企業にとって究極の結果指標は利益かもしれないが、途中の過程で経営陣が自分たちのために設定する目標は、チームとしてどのような結果をめざして努力するかを表すものである。ひいては、これらの目標が利益を押し上げる。

パトリック・レンシオーニ.あなたのチームは、機能してますか?(Kindleの位置No.2184-2188).株式会社翔泳社.Kindle版.

私自身は現在、データエンジニアとして働いています。

この言葉を見て、ふと振り返ったときにエンジニアにとってのKPI的なものって中々設定しにくいな、ということを改めて感じました。

今、社内でもこの課題に対してアプローチを進めていこう、という動きは起きているので、一旦はそれが明確になって浸透すればいいのかなとは思っています。

 

こちらに関しては、テーマとして大きいのと、いずれブログネタとしても良いかも?とは思っているので、ここでは細かく言及しないことにします。

 

最後に

5つの機能不全に関しては、本の後半にまとめられていて、それまでは全てストーリー形式で語られています。

正直ドラマの世界かな?というぐらいに脚色がされていると感じるかもしれません。

 

ただ、自分のチームが機能不全に陥っていたので、最後のまとめ部分はかなり納得のいく部分が多かったです。

正直、衝突の回避をしてしまった負い目は感じているので、自分自身がチームメンバーに対して心を開くことが出来てないのかなとも感じてしまいました笑

 

ここ最近、問題の解消に動いている中で、今自分が進んでいる方向性自体は間違ってい無さそうだ、ということも感じることができた一冊でした。

 

2月から新しいチームメンバーも入ってくる予定なので、チームビルディング本を読み込んで早速実践していきたいと思います。