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有機合成をしてる日本酒好きな北大生が,思いついたこと垂れ流します。
3年次に就活して内定貰ったのに,やっぱ研究したいと思って大学院に進学したり ,
インドに留学するために休学したり。絶賛人生迷走中。

有機合成で嫌な3つのワードを交えて、研究の話をしてみる。

大学生活 研究

研究室配属前の理系大学生は、配属先選びで迷っているかもしれない。

有機系のラボって忙しいって聞くけど、実際どうなんだ?とか。

ちょっとでもイメージが膨らめばいいなと思って、書いてみます。

省いたつもりが、少し長くなってしまったけど。。

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まあ忙しい方だとは思う。

インターンで企業に行った時に、他の大学の有機系の人たちと話す機会があったけど。

どこの大学でも有機系の人は結構忙しいんじゃないかな。

 

有機合成において、恐怖の3つのワード。 

  • ロスる。
  • 壊れる。
  • いかない。

ここら辺を交えて、ラボでの合成の話ができればいいなと思う。

 

 

例えば、Aという物質から、Bという物質を作りたいとする。

それを引き起こす反応を考える際に、論文を読んで条件を探していく。

この時に気にすることがいくつかある。

  1. Bがどれだけ効率よくできるか。(収率が高いか?)
  2. あとの処理が楽か。(精製が簡単か?)
  3. 反応させる時間の長短や、試薬(反応に必要な物質)のコスト。

細かく挙げるときりがないのでこの3つで。

 

まず1つ目の収率に関して。

AからBを作るにしても、Bが100%できる反応はほぼない。

別の物質(副生成物)が出来たり、Aが反応しないまま残ったり。

 

当たり前ですが、効率よく反応させたいですよね。

 

いろいろ検討して反応を仕掛けても、ちょっとしか反応が進まないことがある。

これが恐怖のワードの1つ「いかない」ってやつ。

 

まあ「いかない」だけならまだ良いと思う。

時間はかかるけどAを回収できるから。

 

でも反応の条件によってはそうはいかない。

あんまり反応がいかなくて、Bがちょっとしか得られなかった。

そこでAを回収しようと思ったら、「壊れて」しまったり。

 

Aは最初の物質だから、また買うなりしてやればいいじゃない?と思う人。

そういうこともあるけど、ほとんどないと言い切れます。

その理由は、最初の方の反応ってだいたい既知(誰かがやったことがある)だから。

そこまで変なことは起きないはず。

もし起きたら、何か見落としがあるか、余程腕が悪いってことに。。

 

ちょっとこの話は後に続きます。

 

2つ目の後処理に関して。

有機合成って1つの反応で終わるわけじゃない

AからBを作ったら、そこからCを作って、Dを作って・・・という作業の繰り返し。 

この作業の繰り返しで、目的の物質を作るわけですね。

 

条件によっては特殊な金属を使ったり、酸性とか塩基性を気にしたり。

副生成物があると邪魔になので、反応を起こすたびに取り除いたり(精製作業)。

 

金属は基本的に処理がめんどくさいし、精製は短くて1時間とか取られる。

だけど、反応させる経路によってはめんどくさい作業を避けられる。

 

どうせなら、より単純な方法を取りたいですよね。

 

ではさっきの続き。

恐怖のワード「壊れる」だけど、気付いてくれたでしょうか?

本当の恐怖は、自分で作った途中のモノが壊れること

 

その1つ前のモノが残っていればいいけれども。。

もし手元になければまたその1つ前、その前、、

というように繰り返し前に戻って、作り直さないといけない。

 

これが壊れることによる一番大きな恐怖、「ロスる」ってやつですね。

ちなみに精製作業でも「ロスる」ことはある。

この場合は壊れたのではなく、文字通りどっかに行ったということ。

これは基本的には腕のせいなのと、説明が長くなるのでカットm(__)m

詳しく知りたい人は、カラム、ロス、とかで調べてみてくださいな。

 

最初の方から作り直すのは、かなり時間が取られるので出来れば避けたい。

けど有機合成において、ロスって作り直すのは避けて通れない道かな、と思う。

 

3つ目のコストに関して。

企業だと1~3全てを厳密に気にしているのですが。。

 

試薬って当然、安いものと高いものがあります。

大学の研究室等だと、新しいものを作ることを目的にしている。

だから試薬の値段等は気にしない所もあったり。

とにかく誰よりも早く作れれば良いので。

 

昔、とある議員の方が言ってましたが、

一番じゃないと意味がありません。

 

研究室に入ってから、いくら使ったのかはあまり考えたくない。。笑 

ですが、より早く、安いコストでできるに越したことはないですね。

 

 

合成について、さらに詳しく知りたい学部生とかは、「逆合成解析」や「Scifinder」を調べてみてください。

というか、逆合成解析は一応講義とかで聞いたことがあるはず。

Scifinderは登録しないと使えないけど、合成において非常に重宝するツール

合成してる人で使ったことがない、ということはないんじゃないのかな。

 

めちゃくちゃ完結にまとめると

1、逆合成解析やScifinderを用いて、目的物質の作り方を考えたり調べる。

2、論文を読んだりして、反応させる経路を考える。

3、実際にやってみる。

基本的にこれの繰り返しかな。

うまくいけばどんどん先へ進めるけど、創薬ですからね。

途中まで誰かがやったことがある反応なら、確実に再現できないといけない。

でもいつかは、論文に載っていない物質を作る瞬間がやってくる。

 

世の中で誰も作ったことがない物を、自分の手で作りたい。

有機化学が好き。

薬を作って病気を治したい。

ここら辺に少しでも興味があれば、配属先として選んでみてはいかがでしょう。

 

僕は学部時代のテストで有機化学の単位を落としかけた。

そのときに、君は有機系のラボは止めた方がいいんじゃないか?と言われたり笑

入ってから勉強し直せば、実際どうにかなる。

苦手でも気持ちが大事だと思ってたので。

なので、やってみたいと思ってる学部生がいたらぜひ。

何かしら参考になれば幸いです。

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