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大学院で有機合成をやってた人の思いつきの垂れ流し。
3年次に就活して内定貰ったのに,やっぱ研究したいと思って大学院に進学したり ,
休学してインドで留学してから中退したり。とりあえず生きてます

植物よりも、10倍以上効率よく光合成できる技術が開発される。

たまには真面目に研究の紹介でもしてみたい。

 

最近、人口の葉っぱとバクテリアを利用して、太陽光から液体燃料を生み出す技術がSienceという論文に載りました。

f:id:drizzlyrain:20160616051320j:plain

知名度が高いScienceやNatureは商業誌なので、こういう論文が載りそうだなあと感じます。

もちろん、研究自体もきちんとしているのが前提ですよ。

www.newsweekjapan.jp

この研究は、人工光合成の草分け的存在であるハーバード大学エネルギー科学のダニエル・ノセラ教授によるものらしい。

人工葉には特殊な光触媒が使われており、太陽光を当てることで水を水素と酸素に分解する。

ラルストニア・ユートロファというバクテリアが水素と二酸化炭素と結合させ、アルコール燃料を合成するという仕組みだ。

原理の方は話が難しいし、僕も説明できる自信がないです笑

なので、原文のリンクだけ貼っておきます。

Water splitting–biosynthetic system with CO2 reduction efficiencies exceeding photosynthesis | Science

この研究の凄さをざっくりまとめたいと思う。

 

植物よりも高い効率の良さ

実際の植物が光合成を行った場合に、太陽光から変換されるエネルギーは何パーセントなのでしょうか?

Numerous energy conversion bottlenecks in natural systems limit the overall efficiency of photosynthesis. Most plants do not exceed 1%

実は1%程度。

 

では、今回行われた実験のエネルギー変換効率はいくらなのか?

eutropha hybrid system can achieve hSCE = 9.7% for biomass, 7.6% for bioplastic, and 7.1% for fusel alcohols.

9.7%のバイオマスの生成に成功したとあるので、約10倍!!

人口的に、ここまで効率よくエネルギーを生み出せるのはすごいの一言。

 

ただし、この変換効率には条件が付いてます。

その条件とは、

 

純粋な二酸化炭素を使った場合。

 

空気中の二酸化炭素濃度は5%程度なので、実際はもう少し効率が下がる。

その場合は3~4%に留まるようです。

それでも十分、効率が良いですけどね。

 

液体燃料として保存ができる。

これがかなり大きいと思います。

光合成を効率よく行えても、そこからどのような形でエネルギーが保存されるのか?ということは非常に重要な問題。

eutropha hybrid system can achieve hSCE = 9.7% for biomass, 7.6% for bioplastic, and 7.1% for fusel alcohols.

さっきも引用したところだけど、違う部分に着目。

7.1%の変換効率で、液体燃料のアルコールとして保存ができる!!

液体として保存ができれば、安定な状態で輸送もできます。

ただし、生成されたアルコール燃料を燃焼させると、二酸化炭素が空気中に放出されるので、温暖化問題の解決になるわけではないとのこと。

既存の発電システムに比べてエネルギー効率が高いわけではないが、

人工葉は太陽光さえあれば、汚水や尿などからも水素を取り出すことができる。

 

エネルギー問題は、ITがいくら発展しても避けられない問題だと思ってました。

なので、しばらくは原子力に依存せざるを得ないのかな?と考えてました。

この本の影響が大きいですが。

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)

 

個人的に、原発の問題で一番納得がいった本。

日本の電力を原子力なしで賄う場合に、どれだけの費用がさらに掛かるのか。

そういった数字等に着目して議論が行われているので、読みやすいと思う。

 

いつまでも石油に頼ることはできませんからね。

これまでは、代替エネルギーの変換効率の低さも問題だった。

なので、どんどんこのような研究が実用化されて欲しいなーと思う。

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