バブルを知らないゆとり世代だけど。「国家がよみがえるとき」を読んで。
僕は、バブル崩壊とほぼ同時の1991年生まれ。
ゆとり教育も小学生のときに受けました。
円周率が3になったのも経験済み。
だから「Japan as No.1」とか言われても、何もピンと来ない悲しみ。
- 作者: エズラ・F.ヴォーゲル,広中和歌子,木本彰子
- 出版社/メーカー: ティビーエス・ブリタニカ
- 発売日: 1979/06
- メディア: ?
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物心ついたときには失われた10年とか叫ばれていて。
気付いたら失われた20年になってて、いつ回復するのか。
そんな中、次世代CEOの本棚でこんな本が紹介されていて。
国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由
- 作者: 古市憲寿,トゥーッカ・トイボネン
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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フィンランドに留学した友人がいたのと、
日本が元気になって欲しいと思っているので読んでみることに。
それまでは、税金が高い福祉国家、という印象が強かった。
人によっては、ムーミン、サンタクロース、森と湖などを思い浮かべるかも。
僕は、ムーミンのことをすっかり忘れてましたが。。笑
フィンランド人が、フィンランドについての研究を論文にしていて。
その内容を紹介していく、というのがこの本の形式。
外人による研究ではないので信頼性が高い!!
なぜ、この国は何度も蘇れたのか?
3つ挙げていきたい。
その前にフィンランドを襲った危機について。
簡単に知っておく必要があるので、紹介します。
実は独立してから100年経っていない国、というのをこの本で知りました。。
- 1917年のロシア革命の混乱に乗じて、1918年に独立。
- 第2次世界大戦でソ連に侵攻され、防衛のために戦うが、それがナチス・ドイツ側と認識され敗戦国に。
- 80年代に好景気が訪れたが、ソ連の崩壊で深刻な経済不況。失業率は20%以上。
- ノキアが携帯電話で世界の覇権を握るが、スマホへの移行に失敗し力を失う。
国の人口は、北海道と同じぐらいの約550万人だったため、ノキアの凋落は影響が大きかったようです。
日本でいうと、トヨタが潰れても足りないんじゃないかな?
振り返りは以上で。
フィンランド人の考え方。
ある調査によると、
フィンランド人は世界一幸福な国民の一つ
明らかに大多数の人が、自らの幸福を自分で作り出せる可能性について楽観視している。
日本人は、悲観的な考え方をしているように感じます。
個人的にもそうだから、というのもある。笑
「未来を楽観視できる」というのは羨ましく思いますね。
何度も危機を乗り越えたからこそ、次も大丈夫!!
というように考えるようになったのかもしれない。
逆に日本人と似ているな、と思う要素は、
「勤勉」「粘り強さ」「謙虚さが美徳とされる」
といったことですかね。
環境が持つ強制力。
元々フィンランドは、日本同様に大した資源がない。
国土の7割以上は森林で、氷河の影響も受け、農業にも適していない。
また人口も少なく、海外を意識してビジネスせざるを得ない。
危機を迎える度に知恵を絞り、イノベーションを起こした。
ハイテク産業を育て、同時に教育大国にもなった。
じゃあ日本も危機に陥ればいいの?となりそうだけど、
それは嫌じゃないですか。
だけど、こういった危機感がないと、人って動きにくいですよね。
やっぱり生き物としての本能があるから。
再チャレンジを支える福祉。
フィンランドは近年、若者によって活発に企業が行われているようです。
大学生の多くが一度は企業を考えるというほど。
そこにあるのは、非常に豊かな福祉があるからこそ、気軽に企業に挑戦できる、という関係。
何かに挑戦する際には、退路を断つことも大事だとは思う。
その半面、やっぱり怖いな、と思ってしまうのも事実。
充実したセーフティネットが、それを一押ししてくれる、というのは素敵だなと思います。
最後に、日本とフィンランドの共通の課題が挙げられてます。
今までの忍耐強い仕事の進め方を守りながらも、物事がうまくいかない状況でも、もっとリラックスして、ユーモアと自他に対する寛容な気持ちを忘れずに対処していくこと
慢性的な多忙は創造性を奪う
日本人には結構痛い言葉なのかな?と感じます。
インド人に囲まれて生活してると、この言葉は刺さりますね。
フィンランド人の知り合いは一人もいないけど、話してみたくなる本でした。
海外に来て、日本人であることを今までにないほど意識して。
様々な国の人に興味が出てきたので、タイミング的にも面白く読めましたね。
ムーミンの国ということを知ってる人も、知らなかった僕のような人でもOK。